鮮于枢「行書透光古鏡歌冊」
とても美しい行書である。


趙孟ふ「楷書杭州福神観記巻」
王羲之だけでなく様々な書を学んだ。
生涯に書体が三変したことで有名である。


兪和(ゆわ)「篆隷千字文冊」
篆書と隷書で書いた古詩。
趙孟ふを学んだ。




「モンゴル帝国、 元 」



宋時代(北宋)は、正統な文字から脱し、
自由奔放というか書人の意思がめいっぱい強調された書でした。
その後、北宋を滅ぼした満州の女真族が建てた「金」と南部の「南宋」が一時対立しました。
しかし、金の人々は宋時代の書に魅せられ、主に宋の書風を引き継ぎました。
書のおかげで(?)金と南宋は、同盟を結び仲良くなりました。。文化は平和を招く。。

その後、北のモンゴルが一気に攻めてきて、中国全土を支配しました。
ものすごい勢いです。中央アジア、ロシア、欧州にまで範囲を広げましたが、
およそ1000年で滅びました。一気に投資して大企業にのし上がったが倒産した
どこかの企業に似てますね・・・

さて書道文化はどうだったかというと、今日のお題にも出てきたチンギス・ハーンは
残念ながら書道の歴史にはほとんど無関係でした・・・

モンゴル人至上主義だったため、以前の宋の文化に対しては冷たい反応だったようです。
しかしその中でもヒーローはいます。いつの時代にも素晴らしい人がいるものです。

その2人を紹介しましょう。
鮮于枢(せんうすう)」と「趙孟ふ(ちょうもうふ。「ふ」がパソコンに出てきません)」
です。特に 趙孟ふ の字は個人的に好きです。

この2人の書に見られるように、元の書は再び、正統派に戻りました。くせのない字です。
宋の最初の頃もそうでしたよね。しかし 「歴史は繰り返す」 。
元の最後の頃には、再びその正統派に反対するかのように我流書が幾つか出現します。
宋の顔真卿に憧れる人がたくさんいたようです。

基本的な文字といっても、何十年修行しても習得するのが難しいと言われます。
私、双雲も練習すればするほど書の難しさを感じます。
しかしその難しさがやりがいを生んでいます。
どの世界も奥が深いのですが、みなさんは今どんなことに没頭していますか?
何かに没頭している時が一番幸せですよね。

第8回メルマガ「簡単おもしろ書の歴史」より抜粋。
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タイトル:【 「書」を書く愉しみ 】 光文社新書より